ジェイ・エス・ビー 株主通信等から 自社物件のことなど

ジェイ・エス・ビーから株主通信が届いておりました。サイトへリンクしていますので、クリックすると会社サイトに掲載されているものが出てくるかと思います。

この内容や、有価証券報告書、決算説明会資料等もざらっと見ましたので、気になったことや疑問点等、メモ的に書いておきます。

株主通信ですが、ここではプライム市場への上場申請、承認等についてはどこかふれられているところがあったか・・。ないように思いましたが・・・。

これ、かなり無理して、いきなりプライムの上場基準に適合する形にもっていったということで、株式の増資や売出もこのための意味が大きかったと思っているのですが、なぜここについて社長コメント等も長い文章で掲載されているのですが、全然ふれていないのかなぁ。

プライムを選択するにしても、いきなり基準に適合させる、主にこれは流動性というところが問題だったのだと思いますが、という形をとらなくても、自信があるなら少しずつ課題を解決して、増資という形での希薄化を伴わない進め方もあったように思うのですが。「こういうメリットがあると判断し、こういう意味で、少々無理をしてもこの当初の時点でこういう形をとらせてもらいました」、今期については重要なポイントだと思うのですが、そうした説明がないのはなぜか。

なんとなく、「ちょっと無理してでもプライムの基準に合うような資本政策をとりました」というのをオフィシャルな形では示したくないというか、そこだけ強調されたくないというような印象がありますが。こういうのをIRにサイトから質問したりすると、なにかまた曖昧なまぜこぜにしたような回答があったりするのではないかな、ここのIRの対応のイメージだと・・・。直接、IRセミナー等で質問して、回答は曖昧でもその返答の雰囲気なんかも確認したいところですね。

まあ、基本的に、この増資による希薄化もですし、低い株主還元の比率、現金配当としてはちょっと類を見ないような低水準の株主還元の状況、

3480ジェイ・エス・ビー 株主総会参加報告と提言(3)

 

など、本業の堅調さ、順調さと比較して、株主に負担を強いている側面が強いように見えるところが大きいのが、ここの課題だという認識です。だから、そこが改善されるとみるなら、本業は堅実で相応の成長性もあるように思えますから、まだその改善が織り込まれていない状況は投資のチャンスというとらえ方もできます。

さて、実際の事業の方です。中心は学生マンションの賃貸物件の管理運営です。数字はこうなってます。

さて、ここから気がつくことはなんでしょうか。まず右上の地域別ですが、京都発祥の企業ということもあって、学生数から考えれば、京都を中心とした近畿圏の比率が高くなっている、自社物件については特にそうですが、というのが目立ちます。入居率は一般の賃貸物件と比較すれば驚異的に思える99.9%です。が、同業の毎日コムネットさんも同水準だったと思います。

賃貸管理には、自社物件と借上物件と管理委託物件があり、それぞれも意味がかなり、あるいはちょっと異なると思うのです。

とりわけ自社物件というところは、管理運営云々というよりも不動産投資そのものの面ということで、質的に違うところがありましょう。土地まで自社で保有するかどうかは物件にもよるのでしょうが自社で不動産を取得するか借りるかして自社で建物を建てる、これはコストが大きくかかりますが、家賃収入等は収益化されるわけです。セグメント的に借上とか管理委託とは別というようにも思いますが・・。

借上は自社保有ではないけれど家賃の一括保証などをする場合、管理委託は基本的に管理委託のみを行う場合で、利益率としては、自社→借上→管理委託とだんだん低くなるのでしょう。うちのDroomは借上の家賃保証のタイプです。建設した会社の関連会社が管理運営も継続してしているという形ですね。

そうした点で見ると、戸数の絶対数は少ないですが、自社物件のここのところの増加、その比率のペースアップが目立ちます。この超低金利継続の状況というのは積極的に優良な自社物件を取得していく機会であるということなのかもしれません。ここらも株主通信では具体的にふれられていません。かなり重要な点、基本的な点のように思いますが。

自社物件を有価証券報告書から具体的に見てみました。近畿がやはり多いかな。新潟大学前なんかは建物は大きそう、戸数も多そうですが、土地は安い。逆に明大前とか京都の烏丸とかは土地が高い。そりゃそうね。土地を保有していない物件もあります。

ここからの自社物件取得は?。下記のようになっています。地方が多いですね。私の出身大学かと思われるところもあります(^_^;。

地方国立大学周辺というのは学生数は一定数はあるけれど、優良な学生向けの物件が少なく、土地代は首都圏や近畿圏ほど高くはないということで、自社物件を取得するには収益性の面からは狙い目なのかもしれません。これを見ると一つの物件の投資額は10-15億ぐらいでしょうか。だいたいこういうところはどれぐらいの利回りをめざしているというか、どれぐらいが見込めたら新規取得の対象として検討するのかなぁ。このあたりも聞きたいですね。また明確に返答のない質問かと思いますが(^_^;、ニュアンス的なことでも。

 

こんな感じで、個々の企業の事業の内容について、あれこれ見て考えていくのは、やはり面白いです。ジェイ・エス・ビーにはぜひリアルの形での個人向けIRセミナーを実施していただきたいですね。これまでもしてきていることでもありますし、コロナの状況が改善したらということで期待しておきましょう。

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