鹿に食べられた観音様(2)東大寺ミュージアム、奈良国立博物館
かつて大神神社の神宮寺にあったこの十一面観音、明治になっての神仏分離によって近くの聖林寺というお寺に移されています。
この像が今回の展示のメイン。背の高い、美しいプロポーション、しかし表情には厳しさもある像です。
聖林寺は奈良県桜井市にあります。大神神社の近くで、このあたりは山辺の道があるところ。卑弥呼の墓とも言われる早い時期の大規模な前方後円墳の箸墓古墳他、多数の古墳もあり、弥生時代以来の遺跡もあるなど、早くから開けた地域だったようです。
博物館だよりの中では、かつてはこの像については低評価の研究者もおられたようなことが書かれていて興味深かったです。
休館日の特別企画ということで、この日は最初の時間では数十人程度しか一緒に入館した人はいなくて、静かな空間の中でゆっくりと観音様を見せていただくことができました。
で、館から出てきて、お菓子やさんに入ろうとすると・・・。
なにかが手を引っ張る。あら、鹿がさっき博物館でもらったちらしをくわえてるやんかー。それ、紙で食べられませんで。おいしくないでしょうに。
といっているのに、紙を口からはなさずにムシャムシャ。あらー、観音様の上半身の写真がないやん・・・。
ということで、これが表題の「鹿に食べられた観音様」ということです。教訓としては、鹿に近くで手に紙を持っていてはいけないということです(^_^;。
奈良東大寺といえば奈良の観光の中心ですが、コロナ云々もあり、外国人の姿は中国系の人も欧米系の人も皆無。修学旅行生も、ごくわずかにそれらしい一団を見かけたというぐらい。一般の観光客も少なく、土産物店も店を閉めているところが多かったです。まあ、2月の平日ということもあるのでしょうが、こんなに閑散として寒々とした東大寺周辺というのははじめてでした。
つづく。