IRセミナー2471エスプール 「クオリティ」 配当・優待なら他社へとキッパリ★★★★★
毎度おなじみのエスプールです。ここはもう少なくとも4回目ぐらいになります。
社長の浦上氏もちょっとこちらのことを覚えてくれていたようで「以前にも来られていましたよね」と言われていました。まあ、いつも質問もしますので、多少は印象に残りやすいのかと思います。
エスプールは前にもこの社名の焼き印入りのお菓子をいただきました。話の枕で浦上社長のプライベートでの京都との関わりをお話されていましたが、このお菓子も鶴屋吉信という京都の和菓子屋さんのものです。普通においしいです。
プレゼンの内容そのものは個人的には周知のことでしたのでなんということはないのですが、浦上氏の話し方はスッキリ感というかキレがあって聞きやすいです。また個人投資家という聴衆を意識したプレゼンで、あまり細かい決算の数字などに立ち入らず、企業の特徴やビジネスモデルなどについ端的に説明していく形や動画の資料を挟み込んでいく形も適切だなと思いました。
質問は障がい者雇用支援事業の部分。基本的に大事にされていること、コンプライアンス、今後の成長戦略などについて聞きました。
大事にしていることとということで最初に出てきた言葉は「クオリティ」でした。非常にいい答えだと思いました。私は「クオリティ」てはなくて「連携」「つながり」といった言葉かなと予想したのですが、違いました。
この障がい者の就労に適した「職場」としての農園を開設するというビジネスモデルは同様の形をとるようなところはでてきているものの、全国的に見ればまだまだ大きな拡大の余地があるように思えます。そのため、M&Aとかアライアンスの形なども含めてよりスピード感をもって事業を拡大するような方向を考えているのか、あるいは自社で室内型の農園などを広げていくようなことが中心なのかといったことを聞きました。
社長は急ぎすぎてひずみが出るようなことがないように、クオリティを保つことを大事にしているという意味のことを言われていました。障がい者への対応というのは個々に様々な配慮が必要でいろんな難しさがあります。そうした理解が不十分なままで対応をすると、人権、コンプライアンスを無視したようなひどい対応、体へのまた言葉での暴力的な対応などになったりすることもあり、多くの福祉施設や病院などでこうした例がとりあげられ批判されたりしています。それと同じようなことがここでもおこると、一気に企業、事業への信用、信頼感は毀損されます。マーケットがあるからといってあまりに拡大を急ぎすぎると、このようなリスクを抱え込むことになり、クオリティが低下する可能性も考えられるということです。
着実に、自分たちができる形で、クオリティを保ってすすめていきたい、そうしたコメントだったと思います。成長のスピードとクオリティを保つことのバランスというのは難しいところがあります。投資家視点ではもっとスピード感をもって事業を拡大してほしいといったことになりがちですが、事業の特性から浦上氏がコメントされていたような形を基本的に大事にするのがよいのだろうとあらためて思いましたし共感しました。
他の方の質問で株主優待等のことを聞かれている方がありました。社長はきっぱりと「する気はない」と言われていましたし、私も株式投資をしていますが高配当利回りを望むのであれば他に選択するべきところはたくさんあるのでそちらをどうぞ、エスプールは成長企業として頑張っていきますということも言われていました。小気味よいコメントでした(^_^;。
ここは先日の決算発表のあと株価が下落していました。「普通」に堅調な決算でしたが、まあ、マーケットの成長期待が高いということなんでしょう。逆に言えば、数年でそのような期待、評価がされるようなところまで成長してきたということにもなろうかと思います。新しい事業も独自の今日的課題に迫る切り口があり、伸びている分野もありますしね。
株式の保有は引き続き継続し、長くつきあっていこうかと思います。評価は満点の★★★★★です。ただ、これは私はということで、現在の株価は相応に成長期待も織り込んだ高PERになっているかと思うので、ここで新規投資の対象にするのがいいかどうかはよくわかりません。
プレゼン後、農園の見学などもまた企画してくださいということをお願いしておきました。実際に仕事をしておられる場面を直接見せてもらうのは色々支障があるところもあると思うので、農園が土日などでお休みの時に見学会を実施し、仕事の様子は動画などで紹介するような形もよいのではないかと思いました。